こんにちは!相続スタッフの伊藤です!
近年、相続に関するトラブルが増加しており、その中でも遺産分割事件が年々増え続けています。特に、相続人同士で遺産の分け方を巡る争いが深刻化しており、これが遺言書の必要性を強く後押ししています。実際、2020年における遺産分割事件は12,785件に上り、過去10年間で約30%増加しました。多くの相続人が、相続財産をどのように分割するかで対立し、その結果、家庭裁判所に持ち込まれるケースが後を絶ちません。
そこで、遺言書が果たすべき重要な役割があります。遺言書を事前に準備することで、相続人同士のトラブルを減らし、円滑な遺産分割を実現できます。今回は、遺言書の種類とその特徴、また遺言書を選ぶ際のポイントについて解説します。
遺言書には複数の種類があり、それぞれに特徴があります。自分の状況や相続財産の種類、相続人の関係性によって適した遺言を選ぶことが重要です。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
自筆証書遺言 | 自分で手書きした遺言書。特別な形式は不要。 | 費用がかからず、誰でも簡単に作成できる。 | 不備があると無効になる可能性が高い。改ざんのリスクがある。 |
公正証書遺言 | 公証人が作成する遺言書。証人2名以上の立会いが必要。 | 法的効力が高く、確実に遺言内容が守られる。 | 公証人費用がかかる。 |
秘密証書遺言 | 自分で書いた遺言を封印し、公証人にその封印を認証してもらう方法。 | 遺言内容を秘密にしたまま作成できる。 | 確実性が低く、証拠力に欠ける。 |
自筆証書遺言は、自分で手書きで遺言内容を記載する方法です。特別な手続きが必要なく、費用もかからず簡単に作成できるため、非常に人気があります。しかし、記載内容に不備があった場合、その遺言は無効になったり、改ざんされるリスクがあるため、十分な注意が必要です。
公正証書遺言は、公証人が作成するため、法的効力が高く、後々のトラブルを防ぎやすい方法です。証人の立会いが必要で、内容が確実に確認されるため、最も安心できる遺言書です。相続人間の争いを防ぐためにも、特におすすめです。
秘密証書遺言は、内容を秘密にしたまま遺言書を作成できる方法ですが、公証人の確認はあくまで封印が行われたことの認証のみであり、内容に関しては証拠力に欠けるため、信頼性に不安があります。
遺言書を作成することで、相続人同士で起こり得るさまざまなトラブルを予防できます。特に、遺産分割を巡る争いは非常に多く、遺産分割事件の原因として最も多いのは、不動産の分割や遺産の公平な分割に関する争いです。
トラブル原因 | 解決方法(遺言書の効果) |
---|---|
不動産の分割が難しい | 不動産を特定の相続人に指定することで争いを防げる。 |
相続人間での公平性の欠如 | 相続分を明記しておくことで、後々の不公平感を防ぐことができる。 |
遺産の範囲が不明確 | 遺言書により、どの財産が遺産に含まれるか明確にすることができる。 |
親族間の意見の対立 | 具体的に誰が何を相続するかを明記することで争いを未然に防げる。 |
遺言書を作成する際、公正証書遺言を選ぶ理由は非常に多くあります。特に、相続トラブルを未然に防ぐために有効な手段となります。
遺産分割を巡る争いは年々増加しており、これにより多くの相続人が遺言書を作成する必要性を感じています。以下のグラフは、過去10年間における遺産分割事件件数の推移を示したものです。
遺言書は、相続トラブルを未然に防ぎ、遺産分割をスムーズに進めるための強力なツールです。特に、公正証書遺言を作成することで、法的効力が高まり、相続人間の争いを防ぎやすくなります。自分の財産や家族関係に合った遺言書を作成することは、相続時に必要な安心感を与えるとともに、家族や相続人の未来を守ることにもつながります。
遺言書を作成する際は、専門家に相談し、適切な方法で作成することが非常に重要です。
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